江戸時代から昭和初期まで不倫は犯罪として扱われていたのを知っていましたか?
日本の不倫に対する処罰の歴史
不倫の処罰の始まりは、鎌倉・室町時代と言われています。
学校で御成敗式目という言葉を習ったことを覚えていますか?
鎌倉時代の武士の行動模範である御成敗式目には、【他人の妻を密壊する罪科の事】という条項がありました。
不倫をしたものは、所領の半分を没収されるか、所領がなければ島流しになるという内容の記載になります。
昔の日本では、姦通(不義密通、不倫)は重罪とされており、江戸幕府の基本法典である公事方御定書には、両者死罪と書かれる程です。
また、江戸時代では、不倫の協力者も追放か死罪になり、現行犯の場合、当事者の夫に限り、不倫していた妻と不倫相手を殺害しても罪には問われることはないという内容もあります。
死罪の上に獄門という処罰があり、獄門は、引きずり回された後、打ち首になり、処刑場に3日間首を晒されることになります。
上下関係が特に厳しかったため、目上の人の奥様に手を出すと、この獄門の刑に処されていました。
また、北海道のアイヌ民族の間でも、不倫(姦通)をした者は見せしめとして男女ともに頭髪や髭を抜き取られたり、耳や鼻をそがれるなどかなり重く扱われていたそうです。
そもそも姦通や不義密通とは、今でいうところの不貞行為のことを指します。
配偶者意外と肉体関係を持つ罪の事を姦通罪と呼ばれていました。
現在でも、不倫をしたら民法で慰謝料を請求されたり、有名人であれば大バッシングを受け、信用や社会的地位を失いますが、江戸時代に比べればかなりましですよね。
江戸時代以降は、旧刑法が布告されることになり姦通罪は、禁錮刑などへと変わっていきました。
そしてこの姦通罪ですが、かなり男性側に寄った法律であったため、男女平等が施行された1947年の刑法改正によって姦通罪は廃止となったのです。
しかし、世界では、今もなお姦通罪が存在している国があるのです。
世界に残っている姦通罪
【中国・台湾】
日本のお隣である中国や台湾も、なんと2020年まで姦通罪が残っていました。
姦通罪と認定されると不倫相手も含めて1年以下の懲役が科せられるという内容です。
しかし、された妻側が夫との関係を修復するために、不倫相手だけを刑に訴えるケースが多かったため、女性に不利な法律とされ、廃止されることになりました。
【韓国】
お隣の韓国も、1950年頃から2015年まで姦通罪がありました。
韓国で、姦通罪となると二年以下の懲役刑に科せられていたようです。
警察に言えば逮捕はできますが、訴えがあってからではないともちろん逮捕することはできませんし、姦通罪で罪に問おうとすると離婚をすることが条件となるので、少し懲らしめるレベルだと我慢しなければいけません。
また、有名人も例外なく姦通罪に問われることになりますので、姦通罪で逮捕となれば、社会的地位や名誉もあったものではありませんね。
【フィリピン】
東南アジアで言えば、フィリピンでは、まだ姦通罪が残っています。
フィリピンはカトリックの信者が多いため、カトリックの教えに従い、離婚すると言うことが基本的にタブー視されています。
そのため、不倫に対して厳格で、姦通罪となれば6年以下の懲役を科せられることになります。
【ナイジェリア】
アジアだけではなく、遠くアフリカにも姦通罪が残っている国があります。
アフリカ大陸にあるナイジェリアでは、姦通罪が残っており、最高刑となると石打ちの刑を科せられ死刑になってしまいます。
今までの国では、懲役刑でしたが、死刑となる国はまだ残っているのです。
【イスラム圏】
ナイジェリア以外にも、イスラム圏の国であるアフガニスタンやイラン、パキスタンなどでも最高刑は死刑になります。
不倫で死刑になれば、死んでもあの世にいけませんね。
日本の不倫への慰謝料について
時代が進むにつれて、不倫をしても捕まることはなくなりましたが、慰謝料請求として今でも相手に償わせることは可能です。
犯罪として取り扱われることはありませんが、お金が取れると言うことは悪いこととして認識はされていましよね。
そもそも、犯罪とは法令により刑事罰が課されている行為であり、社会生活上の利益を侵害する非常に有害な行為の事を指します。
不倫は、不法行為にあたり、他人の権利・利益を違法に侵害する行為のことを言います。
犯罪に対する刑罰の中にも罰金の制度があるため、犯罪と不法行為との違いが分かりにくいですが、罰金は国に支払うお金なので当事者に渡されることはありません。
不倫をされて逮捕されればいいのにと思う方もいるかもしれませんが、された側に償いがないとなるとそれはそれで嫌ではありませんか?
日本では、もちろん不倫は犯罪にはなりませんが、それはあくまでも刑事上の責任がないということになります。
民事上では、配偶者から責任を問われることにより、慰謝料などの償いを求めることが可能です。
ちなみに、海外では不倫に対する慰謝料請求が行えない国が多数あります。
不倫に対する慰謝料請求は日本人の特権なので使わないと損ですよ。
ただ、不倫の慰謝料を支払わなかったり、反省の態度を見せない人は、少なからずいますよね。
不倫をしている人たちは、不倫をしたら死刑になるや逮捕されるとなれば、反省どころか不倫すらしていなかったでしょう。
現代の日本に生まれたことを感謝して、死ぬより慰謝料をしっかりと払う方がいいと思っていただきたいですね。
まとめ
日本の歴史を見ると、現代だけではなく、昔から不倫は問題視されていたことが分かりますね。
また、昔の人の方が、不倫に対して今よりも厳しく見ていたことも分かります。
最悪死刑となれば厳しいどころの騒ぎでないですが、今も制度が残って入れば、まじめに生活される方が多くなるのではないでしょうか?
今も昔も不倫の問題はなくならないですね。